会社にとって株主より大切な人たち

2023年10月30日

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会社にとって大切な人たちって誰だと思いますか?

多くの経営者は、株主と答えるかもしれませんね。

会社は株主が出資した資金で存続しているため、大切な人であることは間違いありません。

しかし、株主が幸せなら会社で働く社員やその家族、それにかかわる人たちは幸せになれるのでしょうか?

株主を第一と考えてしまうと利益優先になり、もっと大切な人たちが見えなくなる可能性があります。

その結果の多くは、会社存続の危機に直結します。

今回のテーマは「経営の本質」

あなたが経営者でなくとも、経営の本質を知ればきっと幸せな気持ちになれると思います👍



今回紹介させていただく本はこちらになります。

「日本でいちばん大切にしたい会社」
著者:坂本 光司
出版社:あさ出版





会社を私物化する経営者

会社を経営するというのは一筋縄ではいきません。

豊富な知識、決断力、統率力など、優れた能力を持ち合わせていないと経営は困難です。

しかし、経営者や役員の不祥事が後を絶たないのはなぜでしょう。

産地偽装、原料の水増し、下請け業者への圧力。

これらの原因は、私物化すべきでない会社を私物化してしまい、平気で規律や社会的ルールを侵害した結果といえます。

本来、会社は株主や経営者だけのものではありません。

会社で働く社員やその家族地域の方々消費者など、その会社を支える方々のものです。

なんでもかんでも経費でおとしたり、身内を優遇した人事なども同様に会社を私物化しているといえます。

そんな会社を社員が評価する訳がなく、会社内部の評判が悪ければ次第に消費者も離れていきます。

消費者は商品やサービスだけでなく、会社がどういう経営をしているのかということもちゃんと見ています。

原則として、会社はみんなのものであるというのが本来あるべき姿です。

その原則を無視した会社は、市場や社員が見切りをつけて、やがて倒産の危機に追い込まれていきます。

では、経営の本質とは何なのか。



経営の本質

会社を経営する上で大切なことは数えきれないほどありますが、”五人に対する使命と責任”を押さえておけば自然と向かうべき方向は定まるはずです。

”社員とその家族を幸せにする”

会社が果たすべき責任の第一が、社員とその家族を幸せにすることです。
自分の会社に不満を持っている社員は、お客様に自信を持って自社製品をセールスすることができるのでしょうか。
取り繕った笑顔なんてすぐにバレるのがオチです😣
会社や自社製品へ対する満足度が高ければ、社員は自然と意欲的に仕事に取り組むことができます。


”外注先・下請企業の社員を幸せにする”

多くの下請企業は、誰もやりたがらない仕事をしてくださっています。
下請企業がなくなれば、困るのは発注元の会社のはずです。
それにもかかわらず、発注元は無茶な納期や見積もりで下請企業を困らせているのが現状です。
相手が威圧的だと、非協力的になるのは自然の流れですね。
下請企業を自分の会社の社員と同等に接し、幸せにすることで協力関係を築く。
そして、その関係性がより良い製品、サービスへと結びつくのではないでしょうか😊


”顧客を幸せにする”

これは誰もが納得ですよね。
お客様の満足度が高くなければ、会社は存続しません。
お客様がいないと嘆く会社もありますが、いなければつくればいいのです👍
その役割は誰かというと、社員ですね。
つまり、お客様のニーズ=市場をつくる社員はとても大切な存在となります。


”地域社会を幸せにし、活性化させる”

会社所在地の地域の住人、環境などに対する配慮や貢献は、今や必須と言っても過言ではありません。
CSRという言葉をご存知ですか?
『Corporate Social Responsibility』の略ですが、意味は「企業の社会的責任」となります。
会社はただモノをつくっていればいいという時代は終わりました。
社員や環境への配慮、社会貢献に着手するのが現在のスタンダードになっています。
たとえば、モノを作る際に資源の有効活用や、廃棄するときのことも考えていれば、CSRを意識しているといえます。
CSRに取り組む会社はそうでない会社よりも企業イメージが良いですね😀
ですので、お客様から信頼されやすくなるといった会社側のメリットもあります。
もう少し簡単な例を挙げますと、歩きタバコをしていて、吸い殻を道にポイ捨てするような社員が働く会社に入社したいとは思いませんよね(笑)
街のシンボルとなり、あの会社に就職したいと思えるような活動が大切なのです。


”自然に生まれる株主の幸せ”

そもそも株主は、本当に配当金が第一の目的で会社に出資しているのでしょうか。
最近では、お金を第一の目的としていない株主も増えているそうです。
逆説的な話になりますが、長く繁栄する会社は、自然と先述の4人を大切にしています。
利益優先の短期的な業績にばかり気を取られていては、大切にすべき人々が見えなくなってしまうでしょう。
そうなると、長い目で見て結局株主を満足させることができるのは、先述の4人を大切にしている会社となります。
だから、株主もそういった会社に出資するのかもしれませんね。



社員が求めるもの

自社製品に社員が満足し、お客様もその製品に対して高い満足度があると、社員に心の余裕が生まれます。

自分は会社のために、そしてお客様のために役に立っていると感じるようになります。

満たされた社員が次に望むことは何だと思いますか?

他者を幸せにしたいという願望です。

会社やお客様だけでなく、地域の方々、それにかかわる人たち、幸せの輪をもっと広げたいと望むようになります。

そうなれば、上司はいちいち指示を出さなくとも社員は会社のため、お客様のため、地域のために率先動くことができ、その循環が会社とそれにかかわる人たちを幸せにするのだと思います。



人財

「一に人財、二に人財、三に人財」

出典:「日本でいちばん大切にしたい会社」

会社を支えているのは「人財」です。

不況に陥ったときに、活路を見出すことができるのも人財です。

つまり、不況だからといって社員をリストラさせるような会社は経営の本質から外れているといえます。

不況を打破するために人財が欲しいというのが正しい会社のあり方です。

そもそも、景気がいいときには社員を増やし、景気が悪くなったらリストラするというのは何とも都合のいい話だと思いませんか。



最後に

今回参考にさせていただきました「日本でいちばん大切にしたい会社」は経営を学ぶための本ではありません。

人としての正しい行いや、原理原則を再確認するための本だと私は思っています。

法律に違反はしていないが、利益のために社会的ルールから逸脱した行いをする会社は、まだまだ多いと思います。

その行いは社員に不信感を与え、いずれ消費者にも伝わり自然と離れていくでしょう😣

いくら豊富な知識や経営手腕を振るっていたとしても、人としての原理原則が欠落していればその経営は長くは続きません。

こちらの本は、大切にしたい会社を通してそのことを教えてくださっているのだと私は思います。

作業工程を人に合わせ、数字が読めない人でも働けるようにする会社。

会社見学の際、バスガイドの方にも心配りができる会社。

病気で長期入院していた社員にも、給料とボーナスを支給し続けてきた会社などなど。

読んでいるだけでとても心が温かくなりました。

残念ながら私は現在、大切にしたい会社で働いていません😅

しかし、こちらの本で紹介された人たちのように、いつでも前向きで自分と他者の幸せを願いながら働くことができる人財でありたいと思っています🏋️

そして、5人の人たちを大切にする会社が、今後もっと増えることを願っています。