あなたの「嫌い」は相手にも伝わっている
人が人を嫌いになる理由って何だと思いますか?
感じ悪い、不潔、偏屈――理由は様々ですが、いずれも生存本能に脅威を与えようとしているからです。
動物界では生きるか死ぬか、弱肉強食の生き残りをかけたサバイバルです。
かつては人間もそのサバイバルの中で生きていました。
少しでも自分に脅威を与えようとするものは敵と見なし、闘うか逃げるかの選択を迫られます。
そういった生存本能の名残で、自分に脅威を与えようとする人間を嫌いになるのです。
今回のテーマは「人間関係」第2弾。
人間関係のサバイバルから抜け出したい人は必見です👍
今回参考にさせていただきました本はこちらになります。
「嫌いなヤツを消す心理術」
著者:神岡 真司
出版社:清流出版
目次
「嫌い」は相手に伝染する
返報性の原理というものがあります。
相手に何かしてもらったら、そのお返しをしたいという心理のことです。
例えば、スーパーで試食をしたら買うつもりがなくても商品を買ってお返しをしたいという気持ちになりませんか?
実際、試食販売スタッフを設置すると商品を購入する確率は上がるそうです。
これはあなたが相手を嫌う感情にも適用されます。
あなたがどんなにバレないように装っても、ちょっとした声のトーンや仕草などであなたが相手を嫌っていることは相手にバレています。
相手を嫌いになりそうになったら、その前に自分が相手を嫌う感情を消す必要があります。
もし、すでに相手もあなたのことを嫌っていたら、双方の「嫌い」という感情を消さないと関係は悪化する可能性があります。
人を嫌いになる理由
実は好きか嫌いかという感情は本能に関わってくる場合もあるので、明確な理由があるとは限りません。
自分の生存本能を脅かされそうになる人を察知すると「危険」と本能が判断し黄色信号を発します。
例えば、裏切り行為は自分の立場や財産に危害が及ぶ可能性があるので、裏切られたらその人のことを良くは思わないでしょう。
相手に対して警戒心を持つと、ネガティブバイアスで相手の嫌な面ばかりを探そうとしてしまいます。
結果、嫌いの感情が加速します。
また、過去に危害を加えられた相手と同じような特徴を持っている人に対して、生存本能が危険と察知します。
かつては自分の生死に関わる能力だったので、その反応は敏感に働きます。
その人との関係が浅い内は、まずは過去の経験を忘れてクリアな状態で接することを心がけましょう。
嫌いな人に攻撃する心理
嫌いという感情は生存本能を脅かさせることから発する「脅威」です。
脅威を感じる相手に対しては自分の生存本能が脅かされるので、攻撃や無視といった手段をとります。
相手の方が目上の場合、こびるという行動もあり得ます。
例えば、あいさつを無視するようなタイプの人は、プライドが高く、幼少期に親から愛されなかった経験のある人が多いです。
その経験から人との接触をなるべく避けようとする潜在意識が働くようです。
攻撃してくる人の手段は、その人の対処法の手掛かりとなります。
相手が攻撃してきてもすぐにカッとせず、冷静に脅威の正体を見極めましょう。
対処法
攻撃してくる人に対して反撃しても、関係を悪化させるだけではなく無駄にエネルギーを消耗するだけなので賢明ではありません。
冷静に落ち着いて対処することを心がけましょう。
具体的にどうすればいいのかというと、アサーティブな対応をすることが望ましいです。
アサーティブとは、相手を批判することなく尊重しながら、冷静に中立的に主張することです。
相手が怒鳴りつけてくると萎縮してしまいますが、それは相手を増長させることになるので、できる限り毅然ととした態度で振る舞いましょう。
人は相手に同調しやすいので、相手のペースに乗せられないようしっかり意識することも大事です。
相手が怒っていても、こちらが落ち着いた態度で接すれば、次第に相手も無意識の内に落ち着き始めます。
かといって、実践できるかどうかは話は別ですよね😅
私は気が小さいので、相手に威圧されるとすぐに委縮してしまいます。
そうならないように、嫌いな人から攻撃される場面をシミュレーションし、いざというときに慣れておく訓練をしておきましょう。
普段は委縮してしまう場面でも、頭が真っ白にならずに済みます(笑)
また、アサーティブな対応は、こちらに敵意がないことを相手に伝える手段でもあります。
あなたを嫌っている人に対して、こちらに敵意がなく対等に話し合える環境を作り出すことができるでしょう。
あなたの中の嫌いな人を消す方法
一度相手を嫌いになったら、イヤな部分だけが目立って見えてしまうものです。
そういうときはポジティブ変換でその人の印象を変えてみましょう。
- 嫌味が多い → 鋭い視点で裏読みしているが言っていることは的確
- 人によって態度が異なる → 臨機応変、世渡り上手
- ミスをすると怒鳴る → 威厳がある、統率力に優れている、率直な人
相手の嫌いな部分をポジティブ変換すれば、それがその人のいいところなのだなと受け入れられますし、攻撃されても心に余裕が持てます。
嫌いな印象が薄くなってきたら、今度はその人に関する情報を集めてみましょう。
たとえ嫌いな相手であったとしても、同じ趣味、趣向を持っていたら親近感が湧きませんか?
このように、自分と共通している、似ている部分があるだけで「嫌い」という印象を弱めることができます。
ですので、相手を知って理解することにはメリットがあります。
相手の中の嫌いなあなたを消す方法
嫌いという感情は、思い込みや決めつけの部分が多く占めていることもあります。
勝手な決めつけで攻撃されるのはとんだ迷惑ですが、悲しいことにその決めつけは簡単には覆りません。
嫌いの認知を変えるには、その決めつけとは異なることをして相手の思い込みを揺るがしてみましょう。
最初相手はちょっとした違和感を覚え、そのうち今までの認知が間違っていたのかもしれないと思うようになります。
嫌いな相手の視界に入るところで善行したり、相手と共通するところを見つけてもらったりすることで認知を変えていきましょう。
相手に警戒心を抱かせる行為
嫌いな相手に対して、仲良くなろうと急にこびたりほめたりするのは逆効果です。
何か裏があるのではと警戒され距離を置かれます。
では、イヤミなく相手をほめたい場合はどうすればいいのでしょうか。
例えば「あなたのこと、仕事が早くて助かると部長が言っていた」
というように、第三者の意見として評価していることを伝えることは反発心が生じにくく説得力があります。
これを「ウィンザー効果」といいます。
商品の評価を当人(会社やメーカー)が発するよりも、第三者(ユーザーのクチコミ)が発した方が説得力がありますよね。
それは客観的な立場の意見からだと考えられます。
直接相手に伝えにくいことを、誰かに頼んで本人に伝えてもらうのもアリです。
自分から伝えるよりも相手の心に響きます。
ウィンザー効果で嫌いな相手との距離を縮めてみましょう。
オープン・クエスチョンで話題をポジティブに
嫌いな相手でなくとも、普段接する機会が少ない人と二人っきりになるとちょっと気まずいですよね。
話題を広げるためにはオープン・クエスチョンが有効です。
オープン・クエスチョンとは、相手が自由に答えられるような質問のことです。
会話がつなげやすく、情報を多く引き出すことができます。
たとえば、
- 休日の過ごし方は?
- どんな映画を見るんですか?
- 監督の作風についてどう思いますか?
といった質問になります。
逆にYES/NOで答えられる質問はクローズド・クエスチョンといい、尋問のようになってしまい答えも限定的になってしまいます。
5W1Hでの質問は大体クローズド・クエスチョンにあてはまるので、できれば避けた方がいいですね。
ただし、クローズド・クエスチョンが有効になる場面もあるそうです。
最後に
「嫌いなヤツを消す心理術」には怒っている人の鎮めかた、嫌いな人を消す呼吸法、メタ認知で相手を矮小化する方法など、人間関係に悩みを持っている人にとってためになる情報が多数掲載されています。
「タイプ別脅威の正体」は非常に参考になり、手ごわい人を相手にするときにとても役立ちました。
私は今まで職を転々としてきましたが、どの職場でも人間関係で悩まされることはありました。
なので、今はもう割り切って嫌いな相手のことを考えるよりも、円滑に仕事ができればそれでいいと思っています。
そう考えることで嫌いな人のことも考えなくて済みますし、気持ちが楽になります😂
生きている以上、人間関係の悩みは尽きません。
悩むのであればまずは行動。
人間関係に関する知識やストレスのない考え方を学べば、きっと人生は明るい方向に向かいます👍
そして、その経験は仕事にも役立てられそうだと思いませんか?